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【色遣いの勉強になります???】名古屋市営地下鉄のラインカラー制定動機

東京、名古屋、大阪・・・この3つの都市に共通してること?

1・日本の3大都市であること

2・東海道メガロポリス上にある都市であること

3・地下鉄路線が多数あること

ほかにも

4・JRの本州3社の本社(JR東日本⇒東京、東海⇒名古屋、西日本⇒大阪)が所在してること

の4点が挙げられますが、このうち東京と大阪の中間に位置する名古屋について3の地下鉄路線が多数あることについては地方都市というには規模は大きい東海道メガロポリス上にある大都市だからこそのことです。

 

その大都市では地下鉄路線が多数あることから旅客案内上でも路線ごとにラインカラーを複数の路線間で重複しないよう配慮しながら制定する必要がありますが、そのラインカラーの制定方法も東京、名古屋、大阪とではそれぞれ考え方が異なります。

 

例えば、東京では非常に初期に開業した現:東京メトロ銀座線や丸ノ内線では開業時に使われた車両の車体色からそのままラインカラーが制定されたという実に簡単な方法でラインカラーが決定するのですが、その後開業してくる路線では東西線までこそ開業当時の営団地下鉄の(民間鉄道会社であれば社長に当たる)総理の海外視察で発見されたタバコの缶の色からヒントを得た色が採用されるものの、東西線以降に開業した千代田線以降では赤系の色や青系の色、緑系の色が重複して使用されざるを得ない状態となります。

 

一方の大阪では路線の性格を表してたり、路線の通ってる地域のイメージや相互直通先の私鉄の車体色を意識した色が採用されました。大阪では路線数が東京ほどには及ばないからこそ制定可能な色の数に余裕があったことが伺えます。

 

ここからが今回の記事の書きたいことの話になるのですが、名古屋の場合は東京とも大阪ともラインカラー制定動機の考え方が異なってきます。名古屋で最初に開業した東山線(開業当時は現在のように路線名はなく単に「名古屋市営地下鉄線」と呼ばれてたらしい?)では開業時の車両の車体彩色について当時の画家氏から黄色系と青緑色系の2種類が比較検討され、その結果「暗い地下トンネルの中でも明るく見える色」ということから黄色系の色が採用されました。それがそのまま名古屋としては第1号になる東山線のラインカラーとして根付くことになります。次に開業したのは現在では日本で唯一東京の山手線のように環状運転を行う地下鉄路線となった名城線で、こちらもまた初開業はS40年度とまだ東山線では黄線タイプ車両全盛期の時代でした。名城線用の車両は東山線と同様第3軌条集電方式の15m級車体で塗装も東山線と共通の黄色を車体全体に塗りましたが、名古屋では2本目の地下鉄路線となるために東山線とは栄(開業当時は栄町)で接続していたことから乗り間違いを防ぐために東山線の黄色1色にアクセントカラーをもう1色プラスすることになり、その色が青紫の細めの帯を窓下に配したものでした。

 

ちなみに下の写真は広告ステッカーに書かれてる電話番号を隠すために名城線のラインカラーを書き入れたものでこの記事の話とは関係ありません。

 

名城線の開業当時の車両に東山線の黄色に対するアクセントカラーを付加する際、青紫色は黄色の補色になることからこの青紫色が選ばれた訳ですが、その後の名古屋市交通局のラインカラーの色調を見直した際に名城線に限らず各路線のラインカラーに対しても全体的に赤味をやや強くしたために自分が見たイメージとは異なる色がラインカラーに使われてるような気がしてくるのです?最初に開業した東山線にしても色調を見直した後の色見本では黄色というよりもクリーム色、ちょうど横須賀線の車両(かつての113系の普通鋼製車体の車両)の色の窓回りに塗られたクリーム色のようにしか見えないのです。名城線の青紫についても当初の青みが強かったものからもはや赤紫色と思えてくるような色に見えてきます。さらに名城線では車両の帯までも増備時期によってやや赤みが強い色に変わってもいます。

 

話は名古屋市営地下鉄のラインカラーのことに戻りますが、3番目に開業した鶴舞線では青系の色がラインカラーに選ばれるのですが、これは東京の地下鉄のラインカラーでいえば都営三田線の濃いめの青ではなく東西線のスカイブルー=水色がそのラインカラーになってます。鶴舞線が青系とされたのは計画で名鉄の路線(開業当時は豊田線と相互乗り入れ)と相互直通運転を実施することが決まってて、直通先の名鉄の車体色が赤系(名鉄スカーレットレッド、東京でいえば丸ノ内線の赤に近い色)であることから赤系に対する判別色として青系が選ばれることになります。「赤の正反対は青」ですから。

 

4番目に開業した結局のところ名古屋では一番新しい路線である桜通線が赤なのは当時ほかの路線に使われてなかった(今後も使われる可能性のない)色が残り少なくなり、桜は淡いピンクですがピンクと同じように赤系の色ということから赤を選びました。どうも、名古屋の場合は地下鉄路線のラインカラーを制定する際、色相対図を用いて補色効果を利用したり「ある色に対してこの色が対になる」ことを利用するなどここでも最初の路線である東山線開業時の車両の車体色を提案~決定した画家氏の色遣いを考える発想が生かされてると思います。名城線の開業当時に使われた黄線タイプ車両の「黄色地に青紫の帯」という装い、諸外国の地下鉄車両にもありそうな色です。